FXの比較に活かせる!両建ての意味を知るならFXプランニング

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両建て

両建てとは「売ポジション」と「買ポジション」の両方を持つこと

両建てとは、同じ通貨の組み合わせに置いて、
「売ポジション」と「買ポジション」の両方を持つことを言います。

特に、「売」と「買」のポジションを同額ずつ持つ状態を「両建て」と呼びます。

「売」と「買」ポジションを同じ額だけ持つということは、
基本的にはポジションを持っていないのと同じ状態です。

為替レートの変動に対して、
「売」と「買」の両方が同じ額だけ逆に動くからです。

そのため、この両建てが可能なFX会社は限られており、
両建てができないFX会社では、「買」のあとに「売」を注文すると、
もともとの「買」ポジションが、自動的に決済されます。

基本的に両建てにメリットはありません

インターネット上では、両建てに関する3つのメリットが書かれています。

  1. 為替の上昇と下降の両局面で儲けられる
  2. スワップポイントの差額で楽して儲けられる
  3. 利益を翌年度に繰り越して節税できる

しかし、両建てのメリットには、正しいものと間違っているものがあります。

順番に検証していきましょう。

1.「為替の上昇と下降の両局面で儲けられる」は間違い

この説を図式化すると以下のことを言っています。

しかし、実際には、両建てできなくても同じ額の利益が得られます。

したがって、両建てのほうが、ダブルで儲けられるということはありません。

2.「スワップポイントの差額で楽して儲けられる」は間違い

この説は、両建てして、為替変動リスクをゼロにすることで、
安定的にスワップポイントを稼ごうというものです。

実際には、スワップポイントは、
買ポジションでの「プラスのスワップポイント」は、
売ポジションでの「マイナスのスワップポイント」に対して、
同額がそれ以下で設定されています。

つまり、同じ金額の「買」と「売」の両方のポジションを持っていると、
スワップポイントは0以下になっていくということです。

そのため、同じFX会社の両建ては、スワップで損失を出すだけです。

また、別の手法の説もあります。
両建てでスワップポイントを稼ぐために、複数のFX会社に口座を持ち、
プラスのスワップポイントの多いFX会社で買ポジションを持ち、
マイナスのスワップポイントの少ないFX会社で売ポジションを持つ必要があります。

この方法は、一見良さそうに見えますが、
実際にはうまくいきません。

異なる会社のFX口座は、それぞれで証拠金管理をしなくてはいけません。
為替の変動により、「買」または「売」のいずれかのポジションで、
大きな損失が出ている場合は、強制ロスカットの危険性があります。

それを防ぐためには、証拠金の積み上げをしなければならず、
お金を工面するため、利益の出ているもう一方のポジションを決済しなければなりません。

このように、複数の口座では、含み益と含み損を相殺できないので、
「安定的に楽して」スワップポイントで稼ぐことはできません。

また、同じ通貨の組み合わせでは、
複数の会社のスワップポイントを比較しても、
プラスとマイナスを足して、
プラスを大きくする組み合わせは基本的にありません。

複数の口座を操作する苦労の割には、大きなリターンとはなりません。

3.「利益を翌年度に繰り越して節税できる」は本当

FXに関する税制では、
含み益や含み損は、課税利益には該当しないということになっています。

そのため、年末に為替変動が起こり、
ポジションを手仕舞いたいのだけれど、
利益を翌年度に繰り越すため決済をしたくない場合は、
両建てをすることで、決済を遅らせることが可能です。

但し、利益を翌年度に繰り越せることの効果は限られています。

いつか含み益は確定しなければならず、そのときには課税されますし、
利益確定を遅らせることは、利益を取り逃がすことにもつながるためです。

FX口座を選ぶ際に「両建て」の有無は重要ではありません。

以上、見てきたように、両建てにはあまり大きなメリットはありません。

FX口座を選ぶ際には、
スワップポイントスプレッド、取扱通貨種類、最小注文単位など、
別のポイントを重視したほうがいいです。

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